相続の現実

財産額2000万円くらいの人が一番危ない2014.10.03

「遺産相続争いって、お金持ちの話でしょ?うちには関係ないよね。」

 

相続の仕事に携わっているとそんな声がよく聞かれます。
確かに、テレビドラマや映画では、資産家が亡くなって、その相続人たちによるドロドロとした愛憎劇を題材にしたものもあって、そういったイメージの影響が強いのでしょうか・・・。

 

実は、現実は違って、平成24年度の最高裁判所のデータによれば、相続における遺産の分割について揉めている人の32%は、相続財産が1000万円以下、43%は5000万円以下の人です。つまり、全体の75%は相続財産が5000万円以下の人となります。

 

つまり、現在の税制からすると、相続税がかからない人たちの遺産相続争いのほうが圧倒的に多いようです。(もちろん、一部の“資産家”といわれる人たちも、当然ですがそれなりのトラブルを抱えているものです)

 

イメージに反してなぜ、このような“争続”が増えているのでしょうか?
私どもが受けたご相談の経験から考えてみると、長引く不況の影響が大きく、相続で遺産がもらえるなら少しでも多く欲しい、といった相続人の方が増えているように感じられます。
中には、他の家族の前では主張をしないものの、一人になると「他のきょうだいよりもう少し多くもらえないものでしょうか・・・?」といったような権利主張の相談をされる方もいらっしゃいます。

 

100万円でも200万円でも、相続できる権利があるならば少しでも多く欲しい・・・中々景気の良くならないこのご時世、ごく普通のサラリーマンや主婦であればなおさらそう思うのも当然なのでしょう。

 

また、よく見受けられるのは、親が亡くなり、自宅にてずっと同居していた子どもが、他のきょうだいから遺産の分与を求められ、泣く泣く自宅を売却、換金化して遺産分割をする、といったケースでしょうか。

 

こういったケースでは、自宅を失うだけでなく、往々にして家族、きょうだいとしての良好だった関係をも壊し、失う結果になるものです。

 

今や、「相続の生前対策はお金持ちだけ」という時代ではなく、むしろ、財産はあるが、相続税がかからない人ほど、相続対策をしないと、親きょうだい、親戚・・・身近なつながりを失う結果になる時代になっています。
財産面の相続対策はもちろんですが、これからは心情面の相続対策がそれ以上に必要となるのでしょう。“争続”は、もはや他人事ではないのです・・・

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